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iDeCo 月の掛金はいくらが正解?

職業別の上限と所得税率別の節税効果を早見表で。35 年運用シミュレーション付き

公開日: 2026-05-01

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、所得控除(節税)+ 運用益非課税 + 受け取り時の税優遇という 3 段階の税制メリットがあり、老後資金作りの王道ツールです。ただし「月いくら積み立てればいいか」は、 職業によって 上限が大きく異なるのが厄介なポイント。

この記事では、職業別の月額上限を 1 つの早見表にまとめ、所得税率別の年間節税額、 20 代から始めた場合の 35 年運用結果まで、実数値ベースで整理します。

結論(先に答えだけ)

  • 会社員(企業年金なし): 月 2.3 万円が上限。給与所得者の主流ケース
  • 会社員(企業年金あり): 月 2 万円 / 1.2 万円 / 0 円(DB の有無・厚さで段階的)
  • 公務員: 月 1.2 万円が上限
  • 自営業(第 1 号被保険者): 月 6.8 万円が上限。最も節税効果が大きい
  • 専業主婦・主夫(第 3 号被保険者): 月 2.3 万円が上限。ただし所得控除メリットなし

※ 上限内なら 5,000 円から 1,000 円単位で設定可能。家計に余裕がない年は減額・停止も可能(年 1 回)

職業別の月額上限・年額上限の早見表

職業月額上限年額上限
会社員(企業年金なし)23,000 円276,000 円
会社員(企業型 DC のみ)20,000 円240,000 円
会社員(DB あり)12,000 円144,000 円
公務員12,000 円144,000 円
自営業(第 1 号)68,000 円816,000 円
専業主婦・主夫(第 3 号)23,000 円276,000 円

※ 自営業の月 6.8 万円は国民年金基金との合算上限。国民年金基金に加入している場合は、 その掛金分を引いた残りが iDeCo の上限になります。

所得税率別の節税効果(年間)

iDeCo の最大の魅力は 掛金全額が所得控除になること。 年収(正確には課税所得)に応じて所得税の限界税率が変わるため、節税額も変わります。 所得税 + 住民税(10%)の合計税率で月額 2.3 万円(年 27.6 万円)を拠出した場合の年間節税額:

課税所得所得税率合計税率年 27.6 万円拠出時の節税額
195 万円以下5%15%41,400 円
195〜330 万円10%20%55,200 円
330〜695 万円20%30%82,800 円
695〜900 万円23%33%91,080 円
900〜1,800 万円33%43%118,680 円

年収 600〜700 万円の会社員(課税所得 330〜400 万円程度)なら、年間 約 8 万円の節税。これが定年まで毎年続くと、節税効果だけで数百万円規模になります。

30 歳から 65 歳まで 35 年積み立てるとどうなる?

年利 4% で月次複利運用した場合(節税効果は別計算):

職業 / 月額元本(35 年)評価額(年利 4%)節税合計(税率 30% 想定)
公務員 / 月 1.2 万円504 万円約 1,098 万円約 151 万円
会社員 / 月 2.3 万円966 万円約 2,105 万円約 290 万円
自営業 / 月 6.8 万円2,856 万円約 6,222 万円約 857 万円

自営業の月 6.8 万円ケースは、節税効果だけで 857 万円。 元本 2,856 万円のうち 30% が「税金として国に持っていかれるはずだったお金」を運用に回せた計算です。

iDeCo 加入前に知っておくべき注意点

  1. 60 歳まで原則引き出せない: 流動性ゼロ。住宅頭金や教育費に使う予定がある資金は別管理に
  2. 口座管理手数料がかかる: 月 171 円〜が一般的。長期では数万円規模になるので、 手数料の安い金融機関(SBI 証券・楽天証券・マネックス証券など)を選ぶ
  3. 受け取り時の税金: 一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除を活用。 どちらが得かはシミュレーターで確認推奨
  4. 専業主婦・主夫は所得控除なし: 所得がゼロなので節税メリットは消えるが、 運用益非課税のメリットは残る。新 NISA との優先度を再考
  5. 勤務先に確認: 企業型 DC との併用可否、マッチング拠出との相性など

自分のケースで試算する

職業・年齢・年収・希望生活費を入力すると、iDeCo の節税効果込みの最終評価額と、 老後資金がいくら足りない / 余るかを 3 シナリオで自動計算します。 受け取り時の一時金 vs 年金の比較もワンクリックで。

NISA・iDeCo シミュレーターで試算 →

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※ 本記事の節税額・運用結果は概算で、個別の事情(住宅ローン控除・配偶者控除・他の所得控除等)は 考慮していません。所得税率は 2024 年時点の税制を前提に計算しています。 個別の金融商品の推奨ではなく、加入判断はご自身の責任でお願いします。 詳細は税理士・FP にご相談ください。