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Google AdSense『有用性低い』不合格を機に、Web ツール 47 個を NISA プランナー 1 個に絞った話(ゲームは別ドメインへリスタート)
lit-forge.com は 47 個のブラウザ完結 Web ツール集として運営してきましたが、Google AdSense 審査で『有用性の低いコンテンツ』と判定されて不合格に。「ツールはあるけど一つひとつが浅い」と Google にも自分にも認められた瞬間、数より質で攻めるべく『個人投資家のための NISA・iDeCo プランナー』1 本柱への大ピボットを決行。7 セッションで 46 ツールを削除、MCP サーバーも金融特化に刷新、ゲームは独立ドメインでリスタート予定 — その全記録。
結論(要約)
- Google AdSense 審査で 「有用性の低いコンテンツ」と判定され不合格
- 47 ツールはあったが、一つひとつが「世界中にある同種ツールと同じ」で薄かった
- 「数より質、領域特化」へピボット。金融・個人投資家特化に絞り、 47 ツール → NISA・iDeCo 個人資産形成プランナー 1 個に集中
- MCP サーバー(
lit-forge-mcp)も dev utility 10 → NISA 系 4 に刷新(v0.2.0) - ブラウザゲーム 6 本(2048・テトリス・ブロック崩しなど)は別ドメインを取得して独立リスタート予定
- 作業期間: 2026-04-26 の 1 日で 7 セッション、46 ツール削除、サイトコード約 8,500 行を delete(ほぼ Claude Code が実装)
AdSense 不合格の現場
朝、AdSense からのメールで気づきました。タイトルは「AdSense の利用を開始するには、問題を解決してください」。 おとなしくダッシュボードのサイト管理画面を開くと、lit-forge.com のステータスが「要確認」、ステータス詳細に 「有用性の低いコンテンツ」。 赤い ⚠ アイコン付きで「ポリシー違反が見つかりました」と書かれています。
Google が貼ってきたヘルプ参照は 4 つ:
- コンテンツの最小要件
- 独自性のある質の高いコンテンツと優れたユーザーエクスペリエンスをサイトで提供する
- ウェブマスター向けの品質に関するガイドライン(質の低いコンテンツ)
- ウェブマスター向けの品質に関するガイドライン
正直、悲報ではありますが「やはりそう来たか」という気持ちもありました。 47 ツールは確かに数として揃えていたものの、JSON 整形・正規表現テスト・パスワード生成のような 定番ユーティリティは世界中に何百もの類似サイトがあり、lit-forge 版に 独自性は何もない。各ページの本文も「ツールの入力 UI」+「3 行の usage」+「2-3 件の FAQ」 程度で、Google から見れば「テンプレ量産」と評価されても文句は言えません。
方針転換: 数を捨て、質に振る
AI(Claude Code)と相談しながら、回復方針を決めました。 選択肢は大きく 3 つあったと思います:
- 各ツールの本文を膨らませる(47 ツール × 1,000 字以上の解説を書く)
- 独自性のあるツールを新規追加する(プログラマティック SEO 等)
- 選び抜いた 1 つを世界一にし、他は捨てる
1 と 2 は労力が線形にスケールするうえ、根本の「ツールがコモディティ」問題は解けない。 自分自身が「どのツールもチープで有用性が低い」と認めている以上、 どれだけ本文を盛っても本質は変わらない。
選んだのは 3 番です。lit-forge は「Web ツール集」というポジショニングを 完全に捨て、「個人投資家のための無料ツールと資産形成ガイド」として 再定義する。第一弾の主役は、すでに小さく実装してあった「つみたて NISA・iDeCo 個人資産形成プランナー」に決めました。
47 → 1 を 7 セッションで実行した記録
実装は AdSense 不合格の通知を受けた当日、Claude Code と二人三脚で進めました。 破壊的変更が連続するため、commit 単位を細かく刻んで、各セッションで:
- 削除候補の確定 → ユーザー(自分)に承認確認
- 削除実行 → tools-data / sitemap / categories / SearchModal / not-found の 5 箇所同期
- Netlify 301 リダイレクト追加(ブックマーク・SEO 評価温存)
- テスト(unit + e2e)→ commit → push
- 本番反映確認 → 次セッションへ
| バージョン | 削除内容 | 残ツール |
|---|---|---|
| v1.33.0 | NISA シミュをプランナー化(プロファイル/3 シナリオ/月額逆算) | 47 |
| v1.34.0 | TOP に NISA hero + 14 ツール削除(おみくじ・診断・BMI 等) | 33 |
| v1.35.0 | +10 ツール削除(writer/security/design/非 MCP dev) | 23 |
| v1.36.0 | +10 dev 削除(JSON/regex/JWT/Base64 等) + /mcp ページ NISA 化 | 13 |
| v1.37.0 | +6 金融周辺削除(消費税/源泉徴収/年収/請求書 等) | 8 |
| v1.38.0 | +12 削除(チートシート 11 + ローン計算 + 「人気ツール Top 10」セクション撤去) | 7 |
| v1.39.0 | クリーンアップ(動的セクション/未使用 hooks/npm 依存 6 個 撤廃) | 7 |
合計コミット 7 本、削除ファイル 200+ 件、コード行数で約 8,500 行を delete。 npm 依存も 10 個 → 4 個(@upstash/redis / next / react /react-dom のみ)に削減できました。
MCP サーバー(lit-forge-mcp)も金融特化に
v0.1.x で公開していた MCP サーバーは dev utility 10 ツール(format_json・test_regex・decode_jwt 等)を提供していました。サイト本体が金融特化に変わるなら、 MCP もそれに合わせる方が一貫性があるので、v0.2.0 で全面刷新しました。
新ツール 4 種:
simulate_nisa— 月の積立 × 年利 × 年数 → 評価額・運用益・年次推移plan_retirement— フルプロファイル → 楽観/現実/悲観 3 シナリオ + 老後資金診断calculate_required_monthly— 目標額・現在貯蓄・年利・年数 → 必要月額逆算calculate_compound_interest— 一括 + 月次積立の汎用複利計算
npm の v0.2.0 は公開済み、 公式 MCP Registry も io.github.noblabs/lit-forge-mcp として更新済み。 awesome-mcp-servers への PR は Developer Tools セクション向けの旧 PR (#5355) を close し、Finance & Fintech セクション向けに新 PR (#5428)を提出しました。
ゲームは別ドメインへ「リスタート」
ピボットの一番の悩みどころが、ブラウザゲーム 6 本 (2048 /落ちものパズル /ブロック崩し /神経衰弱 /ゾンビ撃退タイピング /中世魔法ディフェンス)の扱いでした。
これらは Upstash Redis でランキング機能を持ち、効果音・パーティクル爆発・近未来テーマと かなり作り込んだ資産があり、ユーザーからもそれなりに遊ばれている。捨てるには惜しい。 でも「個人投資家向けサイト」のフッターから「ブラウザ 2048」へのリンクが並ぶのは、 ブランドメッセージ的にはどうにも噛み合わない。
結論: ゲームは別ドメインを取得して独立サイトとしてリスタートします。 既存の lit-forge.com 配下のゲーム 6 本も、新ドメインでの再公開と並行して、 ある時点で lit-forge.com からは撤去・新ドメインへの 301 リダイレクトに切り替える予定です (ランキングデータの移行も合わせて)。
新ドメイン名・サイト名は決まり次第、別記事で公開予定。設計方針としては:
- ゲーム特化に純化(lit-forge と同じ過ちを繰り返さない、ジャンル混在しない)
- 既存 6 ゲームをそのまま移植 + ランキング機能(Upstash Redis)も継承
- ブランドメッセージは「ブラウザだけで遊べる近未来テーマのカジュアルゲーム集」のような明確な軸
- AdSense 申請は別ドメインで一から(lit-forge と独立)
個人開発で「分離独立」の判断は気が重いですが、両方を中途半端にやるよりは、 それぞれを純化したブランドとして磨くほうが Google・ユーザー両方から評価されやすいだろう、というのが今回の学びです。
振り返り
良かったこと
- AdSense 不合格通知の 当日中に方針決定 + 7 セッション分の実装を完了。 「悩んでいる時間が一番もったいない」を実感
- Claude Code に削除作業(grep / 同期 / テスト / commit / push)を任せることで、 人間は「何を残し何を捨てるか」の判断だけに集中できた
- Netlify の 301 リダイレクトを毎セッション漏れなく入れたので、 既存ユーザーのブックマークと外部リンクが一切壊れていない
- GitHub Actions が削除作業中に失敗していたが、Session 6 で古い e2e spec を削除 + smoke-tools.ts を縮小することでクリーンに
痛かったこと
- Claude Code × Next.js 16 で Web ツール 38 個と自家製 MCP サーバーで 10 ツールの過去ブログが、本記事公開時点で「すでに陳腐化した記録」になった。 当時の手応えは大きかったが、自分でも同意する形で「足りなかった」と書く悔しさ
- Qiita / Zenn のクロスポスト記事も、dev utility / MCP 旧構成の紹介で書いてあるため要更新
- awesome-mcp-servers の旧 PR (#5355) を close した時、メンテナさんに余計な手間をかけた (Finance & Fintech セクション向けの新 PR は提出済み)
個人開発にとっての教訓
「ツールの数」は SEO/AdSense 観点では何の価値も生まないと痛感しました。 Google が見ているのは「各ページに固有の価値があるか」。世界中に類似品があるツールを 47 個並べても、ページ単位の独自性が無ければ判定は変わらない。
逆に、領域を絞って「個人投資家のための NISA プランナー」と宣言すれば、 同じ 1 ツールでも「そのために作られた専門サイト」として Google にも、ユーザーにも、A8.net 提携プログラム的にも、 強いシグナルが立つ。
この記事を書いている時点では、AdSense 再申請はまだ実施していません (プランナーの深化 + 2-3 週間の運用後に申請予定)。 通過するかは別として、「数より質」に振ったこの判断自体は、 AdSense の合否とは無関係に正しかったと思っています。
次にやること
- NISA プランナーの深化: iDeCo 所得控除・NISA 非課税効果の精密計算、課税口座との比較、 教育コンテンツ(5,000 字 × 5 セクション)、共有可能 URL、PDF 出力など
- ゲーム別ドメイン取得 + 移植: ドメイン取得・新サイト構築・既存 6 ゲーム移植・ランキングデータ移行
- AdSense 再申請: 上記 1 が一段落 + 2-3 週間運用後
- 削除済 50+ URL の GSC 削除リクエスト: 高速インデックス削除
個人開発のリアルとして、「失敗を機にいつでも全部やり直せる」のが 個人開発の強みであり、痛みでもある。次の半年でこのピボットがどう実を結ぶか、 また続報を書きたいと思います。
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